アスファルトに咲け!
クラス中の視線も散ることなく集まったままだし、あたしは笑い者だ。
───ふざけんな。
あたしは猿岡と呼ばれたその男子をキッと出来るだけ鋭く睨んだ。猿岡の口角が楽しげに吊り上がる。
「なんだよ、やんの?」
「こんだけ言われて黙ってられるわけないでしょ!人のことばっか笑い者にしてるけどアンタはどうなのよ!」
「はぁ?なにが?」
「入学式だってのにタコみたいな色の髪してバッカじゃないの!?自分がド派手だからってその感覚をあたしにまで押し付けないで!」
早口で半ば叫ぶように言えば、猿岡も迫力に押されたのか目を丸くしている。
───と、どこからともなく聞き覚えのある声が。
「タコ仲間が出来てよかったじゃねーか」
「……へっ?」