アスファルトに咲け!
05 合コン潜入大波乱!
《ホントにアンタって娘は電話の1本も寄越さないでもォー!》
「学生さんは忙しいんですー。便りが無いのは元気な証拠って言うでしょ」
こっちに来てから早1ヶ月。夜、寝る前に来た母からの電話。
懐かしい声に嬉しくて頬が緩むけど、それと同時に毎日が充実していることを再認識した。
「1ヶ月も過ぎてるなんて思わなかったんだもん。あっという間だなぁ」
《青春は過ぎるのが早いのよ!ただでさえアンタは中学の3年間ぼんやり過ごして来たんだから…》
「あ…あはは…」
耳が痛くなるお小言は笑って誤魔化すしかなくて顔が引きつるけど、こうして離れてみると親が心配してくれてるってすごく有り難いことだと解る。
《学校はちゃんと行ってるんでしょ?友達は出来たの?》
「勿論。毎日楽しいよ…ってことで明日も学校だからもう寝るよ」
《ちょっと!まだ電話したばっかりでしょ!ホントに全くアンタって娘はもォー!》
「手の掛かる友達ばっかりで毎日が体力勝負なのよ…だから、おやすみー」
半ば無理矢理電話を切って布団に入る。ホントにね、アイツらのお守りは体力勝負なんですよお母さん。