アスファルトに咲け!



なんてことでしょう。




段ボールが1つ無くなったことで漸く視界が開けたあたしの目に飛び込んで来たのは、それをナイスキャッチとばかりに身を呈して拾ってくれた(身…つーか頭だけど)多分、このアパートの住人であろうお方。


きっと自分の部屋に向かおうと階段を上っていた途中だったんだろう。





突如頭上に降ってきた段ボールに顔を青くして驚いてるのか、顔を真っ赤にして怒ってるのか…それは顔が隠れてる今じゃ全く解らないけど、これだけはハッキリ言えるね。





あたしの顔が真っ青だってことは。





「ごっ、ごごごめんなさい!」

「…………」





無言で段ボールを外すその人。未だに両手が塞がってるあたしはただただ怒ってませんようにと祈ることしか出来ず。



とりあえず残りの段ボールを投げ捨てて土下座するかダッシュで逃げ帰るか、次の行動を決定すべく相手の表情を覗き込むと…




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