テキトー彼女。
 ぶつかる直前、俺は目を瞑ってしまった。

「輔」
 微かに声が聞こえた。
「目、開けて」
 背中に目があるだろう(それかエスパー)彼女は、勇者だった。

 恐る恐る目を開くと、そこに広がっているのはいつもの校舎だった。

 後ろを振り返ると、門の隙間からすこし横にずれたところに、腰を抜かして座り込んでいる鬼瓦が見えた。
 門の向こう側にヤツはいたから、顔はよく見えなかった。
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