テキトー彼女。
 あれこれ考えているうちに、8時25分になっていた。
 周りに同じ制服の生徒は、もう1人もいない。

 ふと目を凝らすと、改札から勢いよく飛び出してきた俺の彼女。
「おはー輔」
 そう言って、風のように俺の前を通り過ぎた彼女。

 あ、俺は「輔」と書いて「たすく」と読むんです。

 っておい。
 俺は、誰を待ってたのかな?
 そうだよ、あなたを待ってたんだよ陽菜さん……あ、キレてないですよ。いつものことだから。
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