テキトー彼女。
 学校までの距離が、残り全体の3分の1になった辺りで、叫びながら走っていたせいか、俺の肺は限界に達した。

 立ち止まって、膝に両手をつき、肩を上下させながら呼吸する。

 今日は間に合わない(いつもはぎりぎり間に合ってます)、と諦めた瞬間、俺の視界は暗くなった。
 見上げると、大きな自転車に乗った陽菜。

「後ろ乗って」
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