妄想少女
そして私たちは早歩きで学校を出た。

じゃないと、アニメに間に合わないからね。
猫ちゃんマンは17時からなんだけど、
家までぎりぎり30分。
だから走るッ!!

でも・・・。


「麻子~。走ってょ~。お願いだから~。」
「嫌。走りながら本読むの、大変なんだから。
 分かるでしょ?希美ならその気持ち。」
「・・・そりゃあ、分かるけどさぁ~。」


走りたいのに、
麻子は早歩き程度のスピードだった。

いくらアニメの為とは言え、
親友を置いて?帰るのは出来ない。
今回は私が待たせちゃったから、
余計にそんな事は出来ないしね。

でも、間に合うかな~?
くそー、
こんな時にタイマー録画が壊れてるとか、何!?


「それより、希美。
 あんた、また先生無視したでしょ?」
「え?無視したっけ??う~ん、覚えてないや。」
「はぁ。と言う事は、
 宿題が出たってことも覚えてないね?」
「え!?まじっすか!!??
 そんなの聞いてないょ!!」
「だって、あんた寝てたじゃん。」
「先生、私を困らせようとしてるょ。
 うん、絶対にそうだ。そうに違いない。」
「あんたが先生を
 困らせてるってことも忘れるな。」
「あ、もうすぐ電車来る!
 やった、間に合いそうだょ!!」
「それは良かったね。
 私も今日はたまたま予定がなかったし。」
「ハハハ(汗)・・・あ、後で電話して良い??
 宿題の事、聞きたいからさv」
「はぁ、しょうがないか。
 親友の頼みだし、今回は聞いてあげるよ。」
「ヘヘヘv」


と言いつつ、
麻子はいつも聞いてくれるんだけどね。
ほんとに麻子にはお世話になってるょ。

こんな私を
素直に受け入れてくれるのも麻子だけだし。


「じゃあ、また後でね!」
「うん。気を付けて帰りなよ。」






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