恋愛初心者~アイツが好き~
「何でぇ?いい事じゃんか」
そうかな‥と、彼女。
家が隣りだなんて‥私からしたら本当に羨ましいんだけどな。
恥ずかしいものなの?
嬉しくないものなの?
クラスが隣りだぁー、とか‥
毎日窓から観察だとか‥
そんな事で一々喜んでる自分が、馬鹿らしくて少し笑えた。
「ねぇ!遊びに行ったりしないの?」
「馬鹿、行かないよ。行けたらいいんだけどね‥」
そっか‥
そんなもんなんだ。
そういえば‥学校で話てるとこ見た事ないもんね。
‥あ、いい事思いついた!
「ねぇ、真衣。話しに行こうよ」
彼女の腕をガッシリ掴み、大森海斗の元へと引っ張った。
「は?ちょ、ちょっと!」
離して!と、叫ぶ彼女の声は軽く聞き流す。
自分の席で、さっきから静かに本を読んでいる彼。
近寄りやすいし、絶好のチャンス!