恋愛初心者~アイツが好き~
ごめんね、と何度も何度も‥心の中で呟き、唇を噛み締める。
だって、だって‥
あの真衣が目の前で、声を押し殺して泣いてる。
「‥‥」
さっきから、声をかけたいのに、かける言葉が見つからなくて‥手を伸しては、引っ込めての繰り返し。
なんて無力‥
だけど、そもそもは私が悪いんだもん‥
謝って許してもらうしかないよ。
そう思い、真衣の前で深く頭を下げた。
「ごめんなさい!」
そんな華恵を見て、目を丸くさせていた彼女。
「は?な、何で華恵が謝るの?」
「だって、私が‥あんな事したから‥」
真衣に辛い思いをさせたのは私。
泣くような思いをさせたんだよ、私は。
なのに彼女は、私を責める事はなかった。
いつものように優しい真衣‥ただ、時々切ない表情を見せる。
「本当に‥華恵に怒ってる訳じゃないよ」
気にしないで、と優しく微笑んで見せた。
私がコクリと頷くと、ありがとう‥と、華恵の頭をポンと軽く叩いた。