恋愛初心者~アイツが好き~

「私と海斗ね‥小さい時は、ずっと一緒だったの」

幼稚園でも、家に帰ってからも‥どんな時でも、いつも隣りには彼がいた。

「こうなったきっかけは、小学校の時‥海斗が突然メガネをかけだしたことかな」
そのまま目は次第に悪くなって、今みたいな牛乳瓶の底のメガネになっちゃったんだ、と‥真衣は笑った。

「でも、何で‥?だからって何も変わらないでしょ?」

「うん‥なのに私は、嫌だった」
大森海斗の事が?
そう尋ねると、首を激しく横にふり、違う!と否定した。

「あの時は、周りが‥みんなに色々言われるのが耐えられなかった‥」

小学3年生の時‥
同じクラスで、毎日が楽しかった。
登下校は、いつも一緒。
どこに行くのも一緒。

大好きだった、本当に‥
なのに、私は馬鹿な事をした。

「お前等ってさ‥いつも一緒にいるじゃん?まさか付き合ってんのか?」
クラスで一番ウルサいヤツ。
ある日の休憩時間に、突然言い出した。
こんなこと言われるのはいつもの事で‥今更どうってことない、そう思ってた。
だけど一人の女の子が、こう呟いた。
「私‥大森君となんて絶対嫌だ」


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