恋愛初心者~アイツが好き~
そんな言葉に、初めは見向きもしなかった。
だけど次第に、ザワザワとウルサくなっていく教室‥
ヒソヒソと、私達二人を見て笑ったり、嫌そうな顔をしたり‥
「牛乳瓶の底みたいなメガネが嫌だよねぇ」
「あれが、気持ち悪い」
「真衣ちゃんも変なのぉ」
誰かが言ってた。
彼の悪口を言われて、苛立ち唇を噛み締める。
何も知らないくせに‥
海斗はスゴく優しいんだよ?
一緒にいて楽しいし、面白いんだから!
顔だって‥メガネとったら結構カッコいいんだよ!って‥
言い返したかった。
なのに、私は逃げたの。
気付いたら、教室から飛び出してて‥
後悔した。
スゴく後悔した。
だけど、それよりもなによりも彼の悪口が、言われっぱなしだったのが悔しくて。
どうして何も言い返せなかったんだろうって‥
「こんなにも大好きなのにね‥」
そう言って、真衣は目を細めて笑った。