恋愛初心者~アイツが好き~

カ、カッコいい‥
「もう見てるだけで幸しぇ」

昼休み‥
最近ではコレが毎日の日課だ。
教室の窓から仲の良い友達と大好きなあの人を眺める。
ただ眺めてるだけ。
それだけで大満足‥のはず。

「まあ笠井君はカッコいいよね。クラスでもモテモテらしいよ」
と、同じクラスの真衣。
真衣は私が中学で一番最初にできた友達で、今は何でも言えちゃう仲良しさん。

「えー!クラスに好きな子いるのかな?」

いないらしいけど‥そう言い真衣は窓のすぐ側の椅子に座った。
「それより眺めてるだけじゃ仲良くなれないよ?」

「わかってるもーん!でもぉ‥」

でも‥
話しかけるなんて私にはできないよ。
「はあ‥」
大きな溜め息を吐き、窓の外で楽しそうにサッカーをしている彼を見つめる。

この距離はいつになったら縮まるんだろう。
グラウンドと教室‥
何だか私達の距離を表しているみたいで最近悲しい。

最初は見てるだけで良かったのに‥
今だって見てるだけで楽しいし、幸せだし。

でも本当は‥
あの人と話がしたい。
笠井晴樹君と‥‥


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