サンクチュアリ
act 1 + さよならの日

scene 1

「そこ行くお嬢さん、ちょいとお待ちなさい」


いきなり声を掛けられた。目の前には怪しいオッサン。


駅前の大通りはたくさんの人が歩いてる。

ちょうど午後の7時くらいだからサラリーマンやOLは会社帰りだし、逆にこれから夜遊びを楽しもうって人たちはざくざく駅から出てくるし。


もちろん、あたしと同じ高校生の姿もちらほら見える。

あたしは友達とケーキ食べてカラオケ行ってきたけど、みんなきっと似たり寄ったりじゃないかな。

つまり今ここには数え切れない人間がいるわけで。

だからあたしみたいな高校生なんて目立つわけもないわけで。


なのにあたしは今、変なオッサンから声掛けられてます。
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