サンクチュアリ
「……、……死神サマぁ」
そう呼びかけた声は完全に泣き声だった。明らかに「じにがみざま」だったもん、今。
仕方ないよね。変てこだけど相変わらずな知り合いの姿に、何だか気が緩んじゃったんだから。
鼻先まで伸ばした長い前髪にダサい黒縁眼鏡っていう、お手本のような根暗スタイル。
しかも体格は鉛筆みたいに細長いし、髪の下から覗く肌は怖いくらい真っ白だし。
だからいかにも精気を吸い取られそうってことで、誰が呼んだか愛称は死神サマ。
もちろんみんな親しみを込めて呼んでる。
普通だったらあまり近づきたくないタイプなのに、この人だけはそばにいると妙に安心するんだ。
だけど死神サマの方はといえば、あたしの顔をじっと見つめて深々とため息をついた。
「あのさ、言いたいことは色々あるんだけど、とりあえずその顔を何とかしたほうがいいよ。パンダになってるから」
……ウォータープルーフなんて嘘つきだ。
+++++
そう呼びかけた声は完全に泣き声だった。明らかに「じにがみざま」だったもん、今。
仕方ないよね。変てこだけど相変わらずな知り合いの姿に、何だか気が緩んじゃったんだから。
鼻先まで伸ばした長い前髪にダサい黒縁眼鏡っていう、お手本のような根暗スタイル。
しかも体格は鉛筆みたいに細長いし、髪の下から覗く肌は怖いくらい真っ白だし。
だからいかにも精気を吸い取られそうってことで、誰が呼んだか愛称は死神サマ。
もちろんみんな親しみを込めて呼んでる。
普通だったらあまり近づきたくないタイプなのに、この人だけはそばにいると妙に安心するんだ。
だけど死神サマの方はといえば、あたしの顔をじっと見つめて深々とため息をついた。
「あのさ、言いたいことは色々あるんだけど、とりあえずその顔を何とかしたほうがいいよ。パンダになってるから」
……ウォータープルーフなんて嘘つきだ。
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