サンクチュアリ
「……うわぁ、一目惚れってホントにあるんだぁ」


最初の驚きから抜け出した知世が感心したようにそう呟く。

それはまさにあたしの心の声でもあった。

だって一目惚れなんて、ドラマか本の世界だと思ってたんだもん。


「亜紀を一瞬で落とすなんて、どんな人~?」


確かにそれは気になる。亜紀はミーハーなだけに好みにはうるさいから、相手は相当レベルが高いわよきっと。


「あたしも聞きたいでーす」

「詳しく説明お願いしまーす」


あたしと晴香が授業中みたいに手を上げてそう言うと、亜紀はますます照れたように顔を赤くした。
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