お前、俺の彼女やったっけ? *短編*
奈美は、不思議そうにして箱を開けた。すると、また泣いた。
そこには、小さく輝く指輪が。
「何で泣くねん…。」
『グスッ…純ちゃんっ…。』
俺は無言で、その指輪を奈美の指にはめた。
──…左手の薬指に。
約束守ったで。
な?奈美。
だから泣くなよ。
ほら、指輪。
これが欲しかったんやろ?
「ずっと一緒にいてくれるよな?」
『う…ん…。 いるっ…ずっと、死んで…も…一緒に…いるっ…。』
「あほか…。」
“ずっと一緒にいような”
奈美がそう言って、約束した時から、
その瞬間から…
奈美はただの幼なじみではなかった。
まだ幼かった俺。
でも、子供ながらに恋をしたんや。
奈美に─────…
「泣くなっ…あほ。」
『純ちゃんっ…。』
「好きやで。」
『あたしもっ… 大好きっ…。』
あの指輪の意味───…
分かってるよな?
奈美。