お前、俺の彼女やったっけ? *短編*
おまけ
包帯のしていない方で奈美と恋人繋ぎど手を繋ぎながら言った。
「ハズイやろっ…」
『大丈夫っ 大丈夫♪ 一回してみたかってんっ』
俺は、ハッっと思い出し、聞いてみた。隣で嬉しそうに笑う、奈美に──…。
「そういや、なんでこの前、ずっと病院来てくれんかったん?」
『…えっと…。 純ちゃんが、“記憶戻ったらどうする?”って聞いたやん? それで、思い出したら、彼女でいれへんくなるし…あたしが毎日病院行ったら、思い出しやすくなるやろ…。 だから…。』
下を向いて、恥ずかしそうに頬を赤らめて言う奈美が、また可愛くなる。
「俺、結構寂しかってんで?」
奈美に聞こえるか、聞こえんかぐらいの声で言ってみた。
『え? 今何て!?』
やばっ…
「何も?」
『うそー 今めっちゃ可愛い事言ったやろ?』
あの日、あの時、あの瞬間から、お前は俺にとってただの幼なじみじゃなかった。
俺の大切な人やった。
俺の守りたいヤツやった。
好きやで、奈美。
これからもずっと。