お前、俺の彼女やったっけ? *短編*



…やっぱ泣いててもお前は可愛いわ。

俺と奈美は、幼稚園から高1の今まで、ずっと同じクラスで…ずっと俺の好きな人。大事な人。

でも、まだコクってない。今までの関係が壊れんのが嫌やから…。
いつかは伝えたいけどなぁ。

起き上がろうとすると、また頭に激痛が。
「ってぇ!」

声出るわ…。
奈美に何か言おうとした。けど、なんかこんな場面で何を言えばいいかが分からん…。

「お前…誰?」

考えた末に出た言葉。もちろん冗談のつもりやった。
すると奈美は驚いた顔をして、また泣いた。
あかん、泣かせてもうた。『ほんまに覚えてないん?…記憶喪失なん!? あたしのせいやっ…』
「なんちゃっ…『彼女っ!! …あたし、あんたの彼女やってん! 思い出して!』

奈美は下を向いたまま、大声に近い声でそう言った。
てか、お前俺の彼女やったっけ?

なんちゃって…そう言うつもりやったのに。



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