お前、俺の彼女やったっけ? *短編*



退院まで、あと3ヶ月。俺はだいぶ怪我して退院生活に慣れてきた。
やけど、まだまだやな…。

ガラッ──…
来た来た。
『純ちゃーん! 昨日のテストっ…純ちゃん抜かした!』
「うそー お前むちゃくちゃ勉強したやろ。」

最近では喋れるようになった。
入院してから二週間。俺は普通には話してるけど、まだ記憶喪失のフリをしてた。だって、奈美が毎日俺のために花瓶の水かえたりしてくれるし…。それはそれで新鮮やしな。
退院するまで、それでいっか。

『今日なぁ、試合やってん! で…勝った!! すごいやろ? 約束通り勝ったで!』
「すげー! 俺も見たかったわぁ」

俺は、奈美と約束をよくするようになった。てか、前からそやったけどな。
この前は、試合で勝ったら、あいつの好きなシュークリームおごるって約束。
『純ちゃん、約束覚えてるやんなっ』
「えー? 何それ、覚えないわぁー」
『せこー! あたしが試合勝ったらシュークリームおごってくれるー言うたやん!』

俺はあははっと笑い、思った。俺が事故に合う前は、もっと気ぃ強かったなぁ。何でこんな優しなったんやろ。もしかして…俺の事好きになったんかなぁ♪

なんて思ったり。



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