お前、俺の彼女やったっけ? *短編*



『え〜と…。』
「お前が分からんかったら、俺も分からんやんけ!」
奈美は部活が終わって疲れていて、しかも時間も遅いのに、必ず毎日病院に来てくれてる。
そして、二人で勉強。勉強と言っても、奈美の宿題に付き合わされているような感じやった。やけど、奈美が好きな俺には、その時間さえも1日の一番の楽しみになっていた。


『え〜と… あーもう分からん!!』

そういえば…奈美ってまだ俺は記憶喪失やと思ってんねんなぁ?

いつ言おう…。
てか、いきなり「思い出した!」って言えばいいん?
思い出したって言ったら…奈美なんて言うかな…。

「もし…もし俺が記憶戻ったらどうする?」
『え…。』

奈美は黙ったまま、下を向いた。



しばらくして、奈美の口が動いた。
『嬉しいよぉ! 嬉しいに決まってるやん…?』
「………。」

奈美はこの時、何で悲しそうな顔したん?

なぁ、奈美?



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