もうひとつの七夕物語
時が経ち、天の川の両岸で毎日泣いている牛朗と織女と子供達の泣き声が、
いつしか天界の中央に住む天帝の元にも聞こえてきました。


天帝は、毎日泣いている牛朗と織女と子供達の悲しみを知り、子供達が不憫であると思い、年に一度だけ毎年7月7日の七夕の日にだけ会えるようにお許しを出しました。



しかし、人間を天界に入れる事はできません。



そこで天帝は、天の川に橋をかけることにしました。


天帝は、牛朗と織女と子供達に橋の中央で会うようにと告げました。


そして七夕の日になり、牛朗と子供達と織女は両岸で待ちました。


すると天の川の空の上から無数のカササギが飛んできて、その身を天の川の上にかかる橋へと姿を変えていきました。


牛朗と織女と子供達は、両岸から急いでその橋を渡りました。


牛朗と織女と子供達は、橋の真ん中で出会い抱き合いました。


心から一年に一度の七夕の日の再会を家族全員で喜び合いました。



いつまでも・・・いつまで・・・





橋の中央で再会を喜び合う牛朗達を、優しく見つめる一匹のカササギがおりました。



ほかの橋になったカササギたちの体は、黒地に白い羽なのですが、



なぜかそのカササギだけは、体中が真っ白でした? 






・・・まるで、あの白い老牛のように・・・ 







カササギは牛朗達に言いました・・・









「やっと、家族全員が、出会えて良かった」  
 


           

             [完]
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