セレブの同居人





降りていくと、お兄ちゃん以外の父さんと母さんがいた。


「華乃、おはよう。」

「おはよ、父さん。」


にこっと父さんに笑いかけて自分の席にむかった。

呼ばれる理由になったいーくんはここには見当たらない。


「父さん、いーくんは?」

「勇なら、たぶん荷物を運んでいるよ。」

「ふーん…そっか。」


何だろ荷物って。
ってかお兄ちゃん遅い。
何分待たせる気?


「ゆりな。」

「はい、何でしょう?」

「お兄ちゃん呼んできて。」

「えっ?」


ゆりなは驚いた目であたしを見つめてきた。


「どーせお兄ちゃんのことだもの。ゆりなが行かなきゃ起きやしないわよ。ね?父さん、母さん?」


首をかしげて両親に話を振った。


「うん、そうね。頼むわ、ゆりなちゃん。」





< 3 / 23 >

この作品をシェア

pagetop