セレブの同居人
降りていくと、お兄ちゃん以外の父さんと母さんがいた。
「華乃、おはよう。」
「おはよ、父さん。」
にこっと父さんに笑いかけて自分の席にむかった。
呼ばれる理由になったいーくんはここには見当たらない。
「父さん、いーくんは?」
「勇なら、たぶん荷物を運んでいるよ。」
「ふーん…そっか。」
何だろ荷物って。
ってかお兄ちゃん遅い。
何分待たせる気?
「ゆりな。」
「はい、何でしょう?」
「お兄ちゃん呼んできて。」
「えっ?」
ゆりなは驚いた目であたしを見つめてきた。
「どーせお兄ちゃんのことだもの。ゆりなが行かなきゃ起きやしないわよ。ね?父さん、母さん?」
首をかしげて両親に話を振った。
「うん、そうね。頼むわ、ゆりなちゃん。」