儚い翼
「あいつにとっては、お前が救戦士だったかもしれないな」

「あたしが?」

あたしは、鞄の中から天使の翼を取り出して、右手でギュッと握った。


あたしは何もできなかった。

東はそんなあたしに同情してくれた。

それが、恥ずかしくて、悔しくて、辛かった。

でも、一番ムカついたのは、古城珠里が、人の命を大切にしていないことだった。
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