中曽根工業高校
「着信拒否の設定の仕方わかんなくて…わかる?」

直人は土屋に自分のケータイを見せて聞いた。

「んー……」

土屋は渋い顔をした。

直人のケータイは、折りたたみではない、大分昔の機種だった。

「これ……着信拒否とかゆう機能ついてんの?」

ヒノケンも珍しいものを見るように、渋い顔をした。

「ついてると思うけど…これを機にケータイ変えたら?新規にしたら、かからなくなるし」

キノの提案に、今度は直人が渋い顔をした。

「いちいち教えるのがメンドい……つーかケータイショップいって手続きするのもメンドい」

「ん~……しかも白黒だから見にくいんだよな」

とりあえず土屋はテキトーにいじってみた。

「つーか…聖也来てないの?」

直人は教室でちゃんと授業を受けていたキノを見た。

「ああ…今日まだ見てない」

「……………」

直人は黙って俯いた。昨日の今日だけに、気がかりだった。

「直人……何かあったん?」

「あいつに岬の番号教えた」

ヒノケンの質問に、直人は正直に答えた。
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