中曽根工業高校
｢えっ、お前が教えたの？！｣

土屋は直人を指差した。

｢俺は岬に了承とってから教えたけどな｣

直人は少し嫌味に付け足した。

"お前、人のこと言えねーじゃん"とは言えなくなった土谷は言葉につまった。

｢でも直人…頼まれても嫌がるかと思った｣

キノが見ると、直人はポケットから出したタバコに火をつけた。

｢……俺も、最初は頼まれても断るつもりだったけど｣

｢けど？｣

｢なんか……あんな聖也初めて見たし、そうとう好きなんかと思ってまって……｣

頑固とは言われても、情はある。

｢直人にもついに人間の血が～｣

ヒノケンはふざけて涙ぐむ仕草をして見せた。

｢なんだよ、その言い方(笑)｣

直人はヒノケンに向かって煙を吐いた。

｢ゲホッ！つーか…直人………信じてないよな？｣

｢ラクガキ？｣

ヒノケンは黙って頷いた。

｢たりめーだろ。下らねー事するやつがいるもんだぜ｣

やはり直人は真に受けていないようだ。

ヒノケンは少し安心した。

……漫画を描いていたのは事実だが。
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表紙・目次

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