中曽根工業高校
「ナンパなんて久しぶり~(笑)」

「ニューヨークではなかったの?」

どこか楽しそうな顔の岬に、"危ない奴だったってわかってんのか"と心でツッコミをいれた。

「ないよ~。向こうの人たちからしたら、多分小学生ぐらいに見られてたと思うよ。日本人て若く見られるし」

「まあ確かに。テレビとかで見たことあるけど…アメリカ人とか、学生でも相当大人びてるよな。俺とタメかよ?!とか思うもん」

「まぁ、聖也も私服だと高校生に見えないよね。老けてるってゆうか」

少しカチンときたのか、聖也もすかさず言い返した。

「彩香はヘタしたら、中学生に見えるけどな!」

大人びていて長身の聖也に比べて、岬は童顔だった。

背もあまり高くない。

「も~!!」

岬は頬を膨らました。

「あ、あそこ入ろうぜ♪」

岬をなだめるように背中を撫でながら、聖也は目に付いたオシャレなカフェを指差した。

「ふんっ」

まだ拗ねている岬の耳に囁いてみた。

「……おごるからさっ」

「…いーけど」
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