中曽根工業高校
「……どんな子?」

「俺もタメだよ」

「付き合ってどのくらい?」

さっきのお返しのように、岬はつっこんで聞いてくる。

なんだか、普通の友達の様に聞いてくる岬に腹が立ってきた。

「半年くらい。まー別れるけど」

「えっ、なんで?!」

「好きな子いるから」

岬をじっと見て言ったのに、岬はキョトンとした顔だ。

「好きな人は、どんな人……??」



「いま妊娠してる人ー」

「え??」

岬は混乱気味だったが、少し…いい気味という気分だった。

(本気の俺って…結構意地悪いんだな)

「……聖也の、子供ってこと?」

「は?」

岬の的外れな意見に、聖也は思わず身を乗り出しそうになった。


岬はここまで言っても他の女だと思っているらしい。


(………何、やってんだろ。俺……)

「俺のことよりさ、お前のダンナはいま日本きてんの?」

「いや…。ダンナってゆーか……籍はいれてないけど」
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