中曽根工業高校
『今日言えなかったこと、明日には言えるようになるのかな』

岬は少し大きく息を吸った。

「………多分ね」

『俺、電話するから』

「え?」

岬はまた周りを見渡した。

『明日も、するから』

「………うん」

『明後日も、しあさってもするけど……嫌なら、出なければいいから』

聖也の声は力強かった。

「うん」

『その日に折り返しなかったら、かけなくするから』

「うん」

『じゃ、また明日…』

「うん」

何だか、お互い……変な約束をしてしまった。

複雑な気持ちではあった。

でもいい加減な気持ちではない。



………それから、毎日のように会っている。

「これ、うまいな」

聖也は自分のケーキを指差した。

「ほんとに?!少しちょうだい♪」

フォークで少し多めにとって、岬の口元に運んだ。

「どう?」

「おいひぃ♪」

「クリーム……ついてる」

そう言って、岬の頬のクリーム取って舐めた。
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