中曽根工業高校
「あー…うん、お前は来る?」

『いくいく。何人?』

少し遠慮がちに聞いたが、直人は結構食いついてきた。

(伊澄ちゃんのことがあるしなー)

「来なくてもいいけど…」

「ちょ…ヒノケン」

突き放した様なヒノケンの言い方にキノは肩を叩いた。

『いや、行くって』

「……元カノとは大丈夫なのかよ?」

『そんなの関係ねーって』

「そっか…てか、合コンのこともだけどさ、今週の日曜あいてる?」

『夜なら』

「一度、俺らだけで飲みに行かねー?伊澄ちゃん誘って」

『伊澄ちゃんいたら飲めないじゃん』

冷静な直人の切り返しに土屋は言葉につまる。

「あー…まぁジュースでも盛り上がるだろ。いつも保健室にお邪魔してるし、いろいろお世話になってるからお礼に親睦会みたいなしたいと思ってんだけど」

『あーなるほど』

「伊澄ちゃん、いま彼氏いないしさ」

ここはあえて強調するようにハッキリ言った。

『伊澄ちゃん、何て言ってる?』

「行くって」

本当はまだ正式にOKは出ていないけれど、ここで"まだわからないって"なんて言ってしまうと、直人も多分"無理に誘うのもな"と言い出すと思い、もう決まった事にした。
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