中曽根工業高校
『まーいんじゃない?』

「よし、決定!店とか俺らで決めておくから」

ヒノケンはキノの肩に手をまわした。

『俺らがいつも行くようなとこじゃなくて、あんまり人目につかない、個室とかあるとこにしろよ。伊澄ちゃん、一応教員なんだから』

「了解!!」

ヒノケンは笑顔で電源を切った。

「聖也にはメールで言っとこ」

「上手くいくといいな」

「おう」

笑顔のヒノケンに、キノもつられて笑顔になった。

土曜日の朝、ヒノケンからケータイに留守電が残っていた。

寝ていて気がつかなかったらしい。

『伊澄ちゃん!明日ねー、6時にN駅の裏のマックの前で待ち合わせね!!全員くっから!ヒノケンでした~笑』

「まだ行くって言ってないのに…」

と言いつつ、明日の服を買い出しに行く自分がいた。

日曜日。天気は曇り。

6時にマック。

…だが、まだ5時13分…。

早く着きすぎていた。

仕方なく、駅の中の本屋で雑誌を立ち読みして時間をつぶすことにした。
< 179 / 249 >

この作品をシェア

pagetop