中曽根工業高校
「それでさ、その時中村が警備員につかまってさ」

「ははは」

駅前を歩きながら、聖也のくだらない話を岬は楽しそうに聞いている。



相変わらず、聖也は関係をハッキリしないまま岬に会っていた。



岬もその辺のとこはつっこんで来ない。



聞きたいことはあるのに、お互い、聞きだせずにいた。




「聖也…今日、友達と飲むんでしょ?時間……大丈夫?」

「大丈夫。まだ5時だし!」

と、言いつつも一応ケータイの液晶を見て今の時刻を確認した。

「クラスの子と飲むの?」

「おう。あと、保健室の先生♪」

「保健室の先生て……あのキレイな人?」

岬はスープ屋で出くわした伊澄を思い出した。

「え……お前、伊澄ちゃん知ってんの?」

聖也は岬を見た。

「直人とスープ屋行ったときにその先生もいたの」


以前の、伊澄と直人の会話を思い出した。


『あ、この間女の子と一緒にいたから…』


『あれは友達(笑)』


(あ…。そうゆうことか…伊澄ちゃんが一方的に見かけただけかと思ってたけど………)


「会ったんだ」

「?」
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