中曽根工業高校
「えーっ!!お前それないわっ!!」

土屋は呆れてひっくり返った。

「何でー?!向こうも食ってんのに、何で俺が全部??」

「まあ学生だし、全部払えとは言わねーけど、男のが食うんだし…多めに払うとか」

直人も呆れている。

「だってお金ないし…」

「ヒノケン、バイトしてないっけ?」

キノにもつっこまれた。

「家の手伝いあるし…」

「家の手伝い?」

ヒノケンの家は、飲食店を経営しているらしい。

「俺んち、うどん屋だから…」

「それでもお駄賃とか貰ってんだろ?」

「まあ多少…」

直人の質問に、ヒノケンは小さく答えた。

「でも、向こうはバイトしてるって言ってたし、絶対俺より金もってるじゃん!!それなのに俺のが払うって…」

「お前、彼女ができてもそれでいるつもり?」

みんなからの冷たい視線にヒノケンはしどろもどろに答えた。

「彼女は…どうだろ…でも、彼女なら大切にしたいけど…初対面で次会うかもわかんない子におごるって…」

「ばっか!最初が肝心なんじゃん」

土屋はヒノケンをどついた。

「女の子の中にはおごられて当然だと思ってる子もいるしね」

直人は冷静に分析した。
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