恋愛小説
なにこれ…
「すみませんでした…」
また一礼し早足で階段を駆け降りた。
ドキドキする胸を押さえながら教室へ戻った。
「はぁ……」
やっぱりみんな教室を出ていて、私だけだった。
走った時、足をひねったのか足首に鈍い痛みがする。
「とりあえず落ち着こう…」
私は、《天使の足音》と言うケータイ小説を開いた。
一人黙々と本を読んでいた、
「あのさぁ…」
私しか居なかった教室にまたあの声がした。
驚いておもわず手にしていた本を落としてしまった…。
「ケータイ、落としてんだけど。」
「あっ、ごめんなさぃ…」
素早く机を離れその人所へ走った。
その時、ガクッ!と視界が下がった。
「おいっ…!大丈夫かよ…」
「あっ?はい…すみません」
鋭い痛みのする足を見ると、なんだこれ…と思うほど腫れていた。
「ごめんなさい!」
立とうとするけど足に力が入らない…
「あのさぁ…今さっきから謝ってばっかだよな」
「あ…えっとゴメンなさい!」
「だから謝んなよ…」
そう言って彼は頭をポンと叩きケータイを差し出した。