one contract
ボクの付けているネクタイを緩め、上着とワイシャツのボタンを2、3個器用に外した。
そして、首元の服を退かして‥‥
「な、何‥‥っ?」
「やっぱり、お前は最高だね‥。」
それだけ言うと、アオちゃんはボクの首筋を舐めた。
「ん‥っ、ちょ、や、やぁ‥ッ!!」
抵抗しようにも力が抜けるばかりで、全くに近い程抵抗が出来ない状態。
両方の手首はアオちゃんの片手で、頭の上に束ねられていた。
な、なんでこんな事に‥。
そして、次にボクが感じたのは―――‥‥
「っ、あああああぁぁぁ‥‥ッ!!」
首元に激痛が走る。
原因は、アオちゃんが思いっ切りそこを噛んでいたせい。
そこが火傷を負った様に、
ヒリヒリする
熱い
痛い
涙が次から次へと頬を伝い、落ちてはソファーに染みを作った。
一つ、また一つと‥‥。
アオちゃんは顔を上げ、ボクの顔を覗き込むと目元にキスを一つ落とす。
そのアオちゃんの顔は、ボクを心配そうに見ていた。
生暖かいボクの血が首筋に流れ出てくるのが分かって、ゾクリと背筋が感じる。
アオちゃんはボクの血を一滴も落とさぬ様に、舐め取っていった。
その度に不調和な水音が響く。
静かな部屋にはボクたち以外に誰も居ないから、その音は余計に大きく聞こえて、ボクの聴覚を侵した。
「‥ッ、ダ、ダメェ‥ッ!」
「‥‥」
「き、たな、‥ん、‥っ!!」
舌が首筋を伝って、傷口を口に含まれる。
「いっ、イ、タァ‥ッ!!」
「‥お前、いいね。僕の“餌”になってよ‥‥。」