one contract
「‥‥餌って‥餌?」
「そう。“餌”」
吸血鬼って事は、ボクの血を餌にするって事?
ってそんな事になったら
ボク干乾びちゃうよぉ・・ッ!!
「あぁ、でもね、血をくれるのは時々で良いから」
「な、何でボクな・・んですかっ!!」
「お前は“特別”な人らしいからね。何より甘い血が証拠だよ」
「‥は、はい?」
甘いって‥‥、血に甘いも酸っぱいもあるわけ無いじゃん‥ッ!!
するとアオちゃんはボクの考えている事が分かった様に、有るんだよ。と微笑んだ。
「普通の人の血はね、なんていうか‥後味悪いんだよ。美味しいのは美味しいけど」
「‥‥」
「でもお前の血は違う。後味もイイし、最高」
‥‥そんな事言われても‥。
とは言えず、ポカ~ンと口を開けてただ話を聞くだけのボク。
「最初に気づいたのは、公園で手当てしてあげた時」
「え?でも血はあんまり‥‥」
「匂いだよ。他の血とは違う匂いがしたから」
「はぁ、そう‥ですか」
ここまで聞くと、なんていうか‥‥なぁ。
正直‥呆れてきた。
「という事で、お前はボクの“餌”、決定ね」
‥って、勝手に決めてるしッ!!
「でも、痛いのヤだか‥ですからね!!」
「はいはい、分かったよ。それと、‥お前敬語使い慣れて無いでしょう?」
「‥‥う、はい」
「敬語、止めて?普通に話して良いから、ね」
「あ、うん‥。ありがとう」
何故か、餌になんかならない!!と言えなかったボク。
どうして、かな‥‥。
多分、多少の威圧でもあったんだよ、きっとっ!
あの笑顔に圧されたんだよっ!!
でないと受け入れる事なんてしないだろうし‥ッ!!