one contract
「テメェ、同じ高校なんだってな」
「卒業したヤツには関係ないでしょー!!」
「いや、俺もう一年いるから」
「え‥‥な、なんでぇ‥ッ!?」
「留年♪」
あぁ、もうサイッアク‥‥ッ!!
なんでコイツの顔を学校でも見ないといけないワケ!?
しかも‥‥留年して喜んでるし。
頭どうかしてませんか〜?
桃ともう一年一緒に、帰ったり出来るからでしょ。
しかもしかも、もう一年留年してやろっかな。って‥‥
ホンット、バカだ。
まぁ、学年が違うからあんまり会わないだろうけどね。
そうして桃たちは、じゃあ、また明日ね。と言うと何処かへ消えた。
ぽつん、と公園の真ん中に一人残されたボク。
辺りを見渡せばもう夕方。
オレンジ色に地面が染まり始めていた。
さっきまでの青く澄んだ空とは別に、オレンジに染まった空。
これもこれでとても綺麗で、夕日が暖かった。
ボクは少しイライラした気持ちを抑えようと、また踊る。
クルンッと体に回転を掛けたその時、夕日の眩しさにバランスを崩したボクは派手に転んでしまった。
「‥い、ったぁい‥ッ!!」
膝と腕を少しすりむいただけで済んだみたいだけど、頬からも少し痛みが走っていた。
‥‥頬も、擦りむいてるかも。
「‥‥大丈夫?」
突然上から降ってきた言葉に、驚いて振り向いく。
その人は黒い髪がとっても綺麗で、整ったその顔に黒縁の眼鏡を掛けていた。
そしてその眼鏡から覗く、青く澄んだ海の様な‥
さっきまでの空の様な色をした瞳。
‥‥カッコいい‥。