one contract
『本当に、貰うよ?』
そう言った黝の顔は、それまで顔に貼り付けられていた不気味な笑みはどこにも全く無かった。
どうやらこの言葉は、ふざけたモノとかじゃなくて
‥‥本気みたい。
‥‥決めた、のに。
その決意が今の黝の言葉によって、崩れる様な勢いでグラグラと揺れている。
「明日‥‥」
先輩にいろいろ聞いてみよう。
一人で呟いて、僕は家へと足を向かわせた。
星は相変わらず瞬きを繰り返して。
月は何も言わずに、御供に影を付けてくれた。
今日は朝からギラギラと太陽が眩しかった。
僕は先輩を見つけた途端に捕まえて、朝から質問攻め。
もちろん、昼休みである今も。
生徒会室のソファーに向かい合って座り、質問、質問の繰り返し。
昨日黝が言っていた事が、本当に気になるものだから。
「ぁあ゛?」
「だから、桃はどうして先輩専用なわけ?」
「‥け、契約したからだよっ」
プイッと横を向いた先輩の顔は、何故か見る見るうちに真っ赤に染まっていった。
まるで、茹でタコの様に。
「‥‥何、赤くなってんの先輩」
正直ヒくよ‥‥その顔。
気持ち悪いというか、何というか。
表現し辛い。
「じゃあ、最近桃の血貰った?」
「おう」
「桃、倒れたりしないの?」
「おう」
「どうして?」
「んー、契約してるからなんじゃねぇの?」
さっきから、というより朝から質問する度によく口にする『契約』の文字。
‥‥『契約』って何?
そう問いかけると先輩は、う~ん‥と唸りながら考えた。
「ん~とな、血っつうのは俺たちにとって‥たばこ?みてぇなもんだろ?」
「まぁ、そうだね」
でも、一定の時間飲まなければ、次第に弱って
‥‥死ぬ。
「で、“特別”なヤツの血は“特別”だから、あまり貰う必要がねぇんだ」
「え?あの~‥‥あまり話が読めないんだけど‥‥」
「だから、あまり貰う必要がねぇんだって!」
あまり貰う必要が、ないって‥‥
「契約すればな」
「‥‥契約」
そう言った黝の顔は、それまで顔に貼り付けられていた不気味な笑みはどこにも全く無かった。
どうやらこの言葉は、ふざけたモノとかじゃなくて
‥‥本気みたい。
‥‥決めた、のに。
その決意が今の黝の言葉によって、崩れる様な勢いでグラグラと揺れている。
「明日‥‥」
先輩にいろいろ聞いてみよう。
一人で呟いて、僕は家へと足を向かわせた。
星は相変わらず瞬きを繰り返して。
月は何も言わずに、御供に影を付けてくれた。
今日は朝からギラギラと太陽が眩しかった。
僕は先輩を見つけた途端に捕まえて、朝から質問攻め。
もちろん、昼休みである今も。
生徒会室のソファーに向かい合って座り、質問、質問の繰り返し。
昨日黝が言っていた事が、本当に気になるものだから。
「ぁあ゛?」
「だから、桃はどうして先輩専用なわけ?」
「‥け、契約したからだよっ」
プイッと横を向いた先輩の顔は、何故か見る見るうちに真っ赤に染まっていった。
まるで、茹でタコの様に。
「‥‥何、赤くなってんの先輩」
正直ヒくよ‥‥その顔。
気持ち悪いというか、何というか。
表現し辛い。
「じゃあ、最近桃の血貰った?」
「おう」
「桃、倒れたりしないの?」
「おう」
「どうして?」
「んー、契約してるからなんじゃねぇの?」
さっきから、というより朝から質問する度によく口にする『契約』の文字。
‥‥『契約』って何?
そう問いかけると先輩は、う~ん‥と唸りながら考えた。
「ん~とな、血っつうのは俺たちにとって‥たばこ?みてぇなもんだろ?」
「まぁ、そうだね」
でも、一定の時間飲まなければ、次第に弱って
‥‥死ぬ。
「で、“特別”なヤツの血は“特別”だから、あまり貰う必要がねぇんだ」
「え?あの~‥‥あまり話が読めないんだけど‥‥」
「だから、あまり貰う必要がねぇんだって!」
あまり貰う必要が、ないって‥‥
「契約すればな」
「‥‥契約」