one contract
one contract -mark 3- 菫目線
た、タダで帰れないって・・・・?
何なの?
どういう事なの・・?
アオちゃんは乱暴にボクをソファーに押し付け、ボクの上に重なった。
ボクは何が何だか分からない。
でも、
‥‥怖いという事だけは分かる。
これはきっと、顔にも出ていると思う。
「ふふっ、イイ顔しているね‥‥。怖い?」
「ボク、を‥ど‥‥する、の?」
声が上手く出てこない。
蛇に睨まれた蛙って、こんな感じなのかな‥。
「さぁ?‥どうして欲しい?」
「‥は、なして」
「でも、そういう訳にはいかないんだ。見たんでしょう?」
‥‥床の上に落ちていたモノとお前の生徒書類。
そう怪しく微笑みながら言うアオちゃん。
あれって‥‥たまたま上にあったんじゃなかったの?
なら、どうしてそこに?
「お前、‥試食してもいい?」
何、言っているの?
ボクには全くアオちゃんの考えている事、しようとしている事が読めなかった。
ボクはどうする事も出来なくて、ただアオちゃんの顔を見つめる。
するとアオちゃんは、あの時のようにふわりと微笑んだ。
優しい顔で。
カッコよく。
その顔を見て、ドキッと心臓が大きく脈打った。
でもアオちゃんの手は、その笑顔と逆の行動をとる。
「え‥ッ!?な、何して‥‥ッ!!」