君の忘れ物。

「知恵!!絶対告白しなよ!!あの先輩なら大丈夫だって。」

麗香はあたしの背中を押してくれた。

でも勇気が出ない。
「うん…。でも、そんなに上手くいかないよぉ。」

「大丈夫だって!!私たちが協力するからさぁ。ねっ。」

「う~ん。でもさぁ。」

「もう!!知恵はいっっつも優柔不断なんだからぁ。たまにはスパッと決めなよ。」



麗香は私と正反対。キレイで、何でもスパッと決めて。

私はそんな麗香に頼りっぱなしだね。
ありがとう。



それでも私は…。

「やっぱり絶対無理ッ!!直接なんてありえないよ。」

「そっかぁ…。」

「うん。ごめんね。ありがとう麗香。」
「それは全然いいけどさぁ…納得いかないよぉ。」

腑に落ちない麗香。
あたしに勇気があればなぁ…。
本当にごめんね。
< 5 / 16 >

この作品をシェア

pagetop