楽天家の願い事
それにしても、あの友達は僕のことをよく見抜いていた。

あの友達はこうも言っていた。

――君は自分の心に嘘をついてる

確かにそうだ。

あまりに嘘をつきすぎていて、僕自身も忘れていた。

僕は自分は他の人より少し運が悪いかもしれないということを、自分自身から隠すためにあえてプラス思考になった。


あまりに小さい頃から、妙に細かい所で、妙に運が悪かったため自分で運の悪さを無理矢理プラスに考えるようにしていた。

そして、そういう癖は習慣化し意識しなくてもそうするようになった。

また、どこをどう頑張ってもプラスに取れない出来事に関しては「ま、いっか」で済ました。
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