指切りげんまん
恐らく隣りの七瀬を言ってるんだろう。

それにしても失礼なやつだ。

重い沈黙が流れる。
微かに鼻につくのは肉の腐った匂い。



「何…?」

顔が強張る七瀬。

あたしは左に置いた刀を、佑は銃を。
そして迅は鉈を手にする。

「アレ…だな、この匂い
しかも、大量」


佑がそっと窓から外を覗く。

僅かに見えた入口の前にある井戸からはゾンビが大量に溢れて来て居た。


微かに匂う程度だった腐臭は話しているうちに色濃くなっている。

「裏から逃げよう
…弟背負って走れるか?」

「当たり前だ」


.
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