指切りげんまん
いきなりの大声に視線は全てあたしに集まった。
今はそれすら気にならない。

「組織をどこで御知りになったんですか?」

「二年前の事件だよ
ここの村人全員被害者さ」

「嘘…」

呟きは何に対してか。
あたし達が所属している組織の世間への流失か。

世間へ流失したことが政府に突き止められたら一貫の終わり。
政府からの命令で非人道的な実験、研究が行われている。
隠蔽工作が巧みな政府は自分達が国民から非難される前に、邪魔なあたし達を殺すだろう。

「…神谷愁のパートナーも死にました
いえ、殺されました」

佑がまた話し始めた。
情報が欲しくて食い入るように聞いた。


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