消えいく想い

ミカの事情

私の名前は白戸美香(しらど みか)。
高校2年生。17歳。


そんな私は深刻な病気だったりする。
「アルツハイマー認知症」なんて病気、普通は私の年齢でならないらしいんだけど、私はなってしまった。
医者にそう言われたから。


アルツハイマーなんて聞くまで意味すら知らなかったよ。
だんだんと記憶を失っていく病気なんだってね。
笑っちゃうでしょ。笑うしかないでしょ?


親は私のことなんて気にもしてくれずに、優秀なお姉ちゃんにかかりっきりになっちゃった。
私にはご飯をくれるだけ。本当にそれだけの関係になっちゃった。


私は毎日日記をつけてる。
昨日のことが覚えられなくなって、何をしてたのかもわからなくなっていくから。
だから、私は昨日何をしていたのか、何をして生きていたのか、ということを記録するようになっていった。
思い出の品を見ながら過去を思い出そうとすることも繰り返しするようになった。
けど、思い出せなくて何度も泣くことになるだけだったけど。



「これ――なんだろ?」


机の奥深くから出てきた一冊の大学ノート。
中を見たら交換日記……じゃなく、詩が綴られていた。
思い出せない。


「私――こんなことやってたんだ」
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