消えいく想い
アキという男の子がその時のキモチをぶつけたような詩と、それに共感する私の詩が連続して書いていってる。
その時の感情は思い出せないし、やっていたことも思い出せないけど。


「アキ――か」


たぶんそう呼んでいたんだと思う。
詩の中ではそう書かれているから。


ぎゅっとノートを抱きしめてみる。
なんだかとても温かい。


「会ってみたいな」


かすかな記憶の中では彼は私に笑いかけてはくれなかったと思う。
当時アキには彼女がいたから。
あぁでも、私はきっと好きだったんだと思う。
だって、かすかに覚えてるってことはきっと好きだったっていう証だと思うから。


「会って――みたいな」


あれから二年も経っている。
私のことを覚えているかもわからないし、全く連絡もとっていなかったと思うから、いきなりだったら迷惑かもしれないけど。


でも、私は会ってみたいから、それだけいいんじゃないかと思う。


私は携帯のメモリーを見てみた。
あった。アキって登録されてる。
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