消えいく想い
――To アキ


「はい、もしもし。片倉ですけど」


男らしいちょっと無愛想な声が返って来た。
ちょっと冷たい感じ。
何で私は電話なんかしちゃったんだろう。


「あ、アキー?」


けど、後悔しても始まらないし、きっと後悔したことすら明日には忘れちゃうから。
どうせなら当って砕けようと思ったんだよ。


「ん、あぁアキだけど」


こんなぶっきらぼうなヤツだったっけ。
思い出せない。


「私のこと覚えてる?」


「えーと、誰だっけ」


「ひどっ!私だよ!ミカだよ!」


あー、何となく思い出してきたかも。
こんな感じの男の子だった。


「えー、マジで忘れちゃったの?ポエムの交換とかしたじゃない!」


「あ、あー!俺の汚点のことか」


ちょっとショック。
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