消えいく想い
「それはそれでひどっ!」


「いたなぁ。白戸だろ?思い出した思い出した」


思い出してもらえて嬉しいけど、肝心の私がアキの顔を思い出せない。
卒業アルバムを見て後で確認しないと。


「で、何の用だよ」


何の用なんだろ?あ、そうだ。


「んーとね。昔の日記読んでたらさ。アキのこと思い出してね?ポエム交換のやつも見つかってー」


そのことを会って喋ってみたいと思った。
私はあんまり思い出せないけど、それでも話してる内に思い出せるかもしれないし。


「即刻捨ててくれ」


ひどっ!
私の気持ちをそんな簡単に砕かないでよ!
と思いつつも何故か笑っちゃう。


「ん、捨ててもいいけどー?その代わりね。久しぶりに会わない?」


ドキドキする。すごいドキドキする。
声には出てないかな。震えてないかな。大丈夫だよね。
会ってくれるよね?


「いいぜ。暇だし、付き合ってやるよ」


私はこっそりガッツポーズをした。
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