君は君のままでいて
「っ!」


膝頭で持ち上げるように刺激されて、僕は僕自身がかなり正直な状態になっている事に気付かされた。


「………や、ぁ………。」


蹂躙される唇の隙間から言葉だけの制止を僕は訴えるけど、それが本当に僕の望んでいる事じゃないのなんて、緑風には当たり前に見抜かれてしまっているから。


「嫌?
なら、ここで止める?」


僕の唇の味見を終えた緑風が、存在感のある親指で自分の唇を拭いながら、喉の奥で笑う。


「止められる状態じゃないよな?」


解っているくせに、そんな事を言うし。
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