君は君のままでいて
そんな僕の思惑なんて、いつも通りにあっさりと見切られてしまっていて。


僕は両手を絡め捕られたまま、またベッドの上に押し倒されてしまっていた。


「えっ!
ち、ちょっと待ってっ!」


頭の上にあげる形になった僕の両手をやすやすと大きな左の掌ひとつにまとめ持ち、僕のワイシャツの喉元に右手を当てた緑風を見上げながら僕は訴えかける。


いくらなんでも、これはちょっとナイでしょ?


けど、僕をまたぐように膝立ちしている緑風は僕のすぐ目の前まで顔を寄せて。


「ヤダ。
待たねえ。」


そう言って僕の耳元へと唇を寄せた。
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