君は君のままでいて
「実家の母の事すら、ママと呼んだ記憶はありませんよ。
それに貴女は僕の実母ではなく、緑風の母でしょうに?
呼んでもらいたいなら、彼女に言うべきじゃないんですか?」


そう意見した僕言葉に、局長の唇はますますとんがっていく。


「………みいちゃん、お母さんとも呼んでくれないんだもーん。
物心ついたあたりから、ずうっとオフクロって。
ママって可愛く呼んでもらいたいのにぃっ!」


小さな。


ささやかな。


けれども多分、すっごく壮大なその野望を、僕はかなえる術を持たなかった。


お義母さん、それは無謀に過ぎる願望ですよ。
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