君は君のままでいて

聖夜に起こる奇跡

「んじゃ、いってくるねー。
みぃちゃんも、美樹ちゃんも、お見送りありがと。
お留守番よろしくね?
お土産は何がいいかなぁ?」


僕より少し低い位置から、大きなスーツケースを振り回すように運ぶ局長の、ごきげんな声が空港のロビーに響く。


「はい。
お留守の間はきちんとやっておきますから大丈夫です。
で・す・か・ら!
局長はちゃあんと4日までに帰ってきて下さいよ?」


僕は局長の顔を覗き込みながら強く念を押した。


実はこう言っていても、遅れて帰ってくるんじゃないかと僕は内心ヒヤヒヤしているんだけど。
< 46 / 116 >

この作品をシェア

pagetop